インフレと円安のリスク

2011.06.09

2004年度の一般会計は82兆円ですが、そのうち税収が42兆円となっており、実に半分近くは国債などの借金に頼っているわけです。こうした惨状は地方自治体も同じです。その結果2004年度で国と地方自治体の借金である国債・地方債の合計は729兆円まで膨れ上がっているのです。旧国鉄債務や特殊法人の借金もあわせると、多くの識者は1000兆円を超える借金があるのではないかと考えています。つまり毎年、出費が多くて赤字の状況が続いているなか、足りない分を国債という借金でまかなっているために、さらに借金の総額がドンドン膨れ上がっているのが現状なのです。ピンと来ない人も多いと思いますので一般の年収600万円の家庭の数字に置き換えてみましょう。毎年年収は600万円しかないのに、借金の返済負担といらない道路を家の庭につくるような無駄づかいのために毎年1170万円の出費があります。とても足りないので銀行から毎年、年収とほぼ同額の570万円を借りながらやりくりしています。自分の子供たち(地方自治体)も借金しているので、借金のトータルは大きなものだけで1億271万円に膨れ上がってしまいました。さらに細かい借金もあわせると、おそらく1億5000万円以上の借金があります。当然のことながら、借金の利払いで首が回りません。もしこれで金利が上がったら……。600万円しか収入がないのに毎年1100万円も使って、1億円以上の借金があるようなめちゃくちゃな家計に、この先も銀行がお金を貸してくれるでしょうか。たぶん貸してくれないので、今後は消費者金融やマチ金で高い金利を支払わなければならなくなるはずです。こうした結果、日本という国がもつ信用度が低下し、一時話題になったようにアメリカの格付け機関により日本国債はボツワナと同等の評価に格下げされたのです。お金というのは、日本という国が「○円の価値がある」と保証して印刷した紙切れです。その国の信用度が下がれば、お金の価値が下がり、相対的にモノが高くなります。同様に、外国の通貨の価値が相対的に上がることになります。インフレと円安のリスクは、こうしてドンドン高まってきているのです。