生命保険の経営危機が抜き差しならないように

2011.12.23

生命保険協会の会長は「制度を使わないように各社は全力を尽くすべきだ」としながらも「株価などが厳しくなれば、法律適用例が出るかもしれない」と話している。もっとも、このケースでは金融システムの安定化を保つという観点から、一部生命保険の経営不振が際立ってしまう「予定利率の個別引き下げ」ではなく、複数の生命保険会社が一斉に引き下げるという手法が想定される。一社だけが引き下げる場合は、事前に支援・救済先を決めて公表するというくらい信用補完を万全にしておく必要性は強まる。

[人気サイト]
ネット生保特集!! ネクスティア生命VSライフネット生命 | 保険比較の保険市場
http://www.hokende.com/static/online/features/20111028/
>> サイト

このほか、生命保険が新制度を利用する可能性が高まるのは、金融庁が利率下げの下限を三%よりも下げた場合だ。同庁は契約者の理解を得やすくして法律を成立させるために、「破たんよりはまし」という位置づけを強調して三%を下限にした面は否めない。このため、生命保険の経営危機が抜き差しならないようになった場合などには、財務状況を大幅に改善できるよう下限をさらに下げる可能性は十分ある。事実、金融庁は法整備の段階で下げることのできる予定利率の下限の数値は法律ではなく、政令で定めた。法律を改正するには国会審議が必要になるため、国会議員の反対を浴びれば変更できないし、仮に変更できるとしても国民負担の伴う事柄だけに与党への説明や反対する野党への対応などに時間がかかるのは確実だ。一方で政令は金融庁が定めるので改正しゃすい。与党内では「経済情勢などに応じて柔軟に下限値を変更するために政令事項にしている」との見方が一般的だ。金融庁が三%の下限を大幅に下げれば、少なくとも今よりは逆ざや解消に向けた見通しがつけやすくなることから、経営不振の生命保険の中には手を挙げるところが出てくるかもしれない。