生活経験豊かな建築士がいい

2012.01.23

建築士の実務経験に関しては、ときとして粉飾され、ときとしては隠蔽せざるを得ないのである。実務経験の長さなど、設計では当てにはならない。しかし、それでは「二五歳の若い建築士」に設計を依頼しても安心かというと、何かが足りない。それは生活経験ないし人生経験である。これは職務上の実務経験とは異なる。たとえば、車の運転をしたり整備をしたことがなければ良い車庫はできない。庭の隅に家庭菜園を作るのはいいが、その建築士は実際に野菜を育てた経験があるのか。

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料理も和食、洋食、中華のそれぞれの10品程度は作った経験があるのか。そして後片づけの経験もないと、使い勝手のよい台所の設計は難しい。また、「女性建築士だから家事の経験も豊富にあり、それを設計に生かせる」と信じてはいけない。建築士過剰の業界において、男に負けずに仕事をしていくには、自宅で家事などやってはいられない。年老いた母親に炊事、洗濯、掃除を全部やらせ、自分は建築設計の仕事に明け暮れているキャリア指向女性建築士もいる。結局、建築士は日常生活にしろ、趣味にしろ、建築以外の分野でも積極的に人生を送っている生活経験の豊かなことが必要である。なぜなら、家は生活をする場所である。