メディアはその日最もニュース性のある研究の結論をできるだけ劇的に語る以上述べてきたことで、メディアは仕事をしていないと言おうとしているのではない。その仕事が、私達が仕事だと思っているようなものとは違うというだけだ。リポーターは人々に出来事を伝えることを仕事とし、それをできる限り魅力的な方法で行うのが彼らの仕事だ。医療ニュースの報道では、研究者が何をしたか、どう結論したかをできるだけ劇的に語ることを意味する。リポーターは一般的には背景を提供することまではしない。つまり科学的証拠全体の確実な部分と不確実な部分を分析することはしない。優秀なリポーターなら、しばしば読者のために理由を説明して結論を提示するかもしれないが、普通はしない。たいていのリポーターは、どんな研究であれ、その日のうちで最もニュース性のある研究すなわち最も驚くべきものを一つずつ人々に知らせるだけだ。しかし、人々をおっと驚かすような研究は、確証的な研究より間違っている可能性が高い。通常、確固とした結論は徐々に達成される。一つの疑問に多くの研究がされればされるほど、初期の研究に見られた誤りが退けられるので、研究はますます正確になるだろう。研究を完全な一一連のものとして報道するのは、研究が少なくとも終結に向かう時期でなければ、メディアの締め切りには間に合いそうもないが、報道としてはその時期が最も信頼できる。確かに、メディアはしばしば医療問題の非常に優れた特集記事を組む。その中でリポーターは、その分野で何か解っているか、どんな疑問が解けずに残っているか、言外の含みは何か等をかなり詳しく分析する。こういった長めで、より分析的な記事は、ニュースマガジン、大新聞の健康欄、日曜日の特集記事によく掲載される。それらは単なる一つの研究報告ではなく、研究の全体像を強調する。しかし、メディアが医療研究の報道で最もうま味を感じるのはたった一つの劇的な研究の報道だ。問題はここにある。
(参考)
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